地域包括支援センター後押し

2012年 06月 02日 (土)

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。


2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。


わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。


人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。


そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。


介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。


今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。


広島県は1日、「県地域包括ケア推進センター」を広島市南区の県健康福祉センターに開設した。介護予防などの拠点として県内市町が設けている地域包括支援センターの活動を後押しする。都道府県では初の試み。


センター長には「寝たきりゼロ作戦」で知られる公立みつぎ総合病院(尾道市御調町)の山口昇特別顧問(79)が就任した。開所式には湯崎英彦知事をはじめ約30人が出席。山口センター長が「これから都市部の高齢化が急速に進む。広島で一生を終えて良かったと思える地域づくりをしたい」とあいさつした。


スタッフは理学療法士や社会福祉士たち6人。23市町の地域包括支援センターに対し、医療、保健、福祉分野が連携したサービスを住民に提供できるよう専門的な助言や研修などをしていく。


中国新聞


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